虚構新聞が削除した「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」は何が書かれていたのか？

嘘ニュースサイトの虚構新聞は１８日、「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」を掲載していましたが、日本ユニセフ協会から「厳重抗議と記事の即時削除」を求めるメールが届いたため、該当記事を削除した上で本文を『この記事は日本ユニセフ協会からの厳重な抗議により削除されました。』に差し替えています。あわせて、言い訳めいた報告記事を新たに掲載しています。

虚構新聞とは、様々な時事ネタをパロディ化させ「実際にありそうで実は存在しない」記事を掲載する形式のウエブサイトです。
私個人の意見としては、嘘をついて他人を騙していることで、ネタサイト以前に虚構新聞がタイトルにサイト名を出していないなどデマ拡散になりかねない手法をしているのが嫌いですが、「ユーモア理解しろ」「騙される奴が悪い」「嘘を見抜けない奴が悪い」というファン層による支持もあり、朝日新聞が「最後まで読むとウソと分かる記事ばかりのニュースサイト」として紹介するというKYぶりを遺憾なく発揮したこともあります。

そうした嘘ニュースの虚構新聞の記事に日本ユニセフ協会はら「厳重抗議と記事の即時削除」を求めたわけですから、「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」は嘘ということになるのでしょうか？

さて、虚構新聞が削除した「日本ユニセフ、寄付金の流れ透明化へ」には何が書かれていたのかですが、嫌いとはいえ何が書かれていたのかをたまたま読んでいました。キャッシュページも残されておりますので、確認してみましょう。

今回の記事には実在する団体名「公益財団法人日本ユニセフ」や個人名「アグネス・チャンさん」が出てきます。
いつもはもう少し別団体や別人の名前になるようにしているはずなのですが、最近虚構新聞社主ＵＫがスランプを脱したというのは嘘だったのでしょうか。嘘ニュースだけに。
本人とわかる個人名を出していた記事で、橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」という記事を掲載した際には、実際に騙される人が続出し、虚構新聞はTwitterで「現実にありえないことをお伝えするのが本紙のポリシーですが、今回非常に多くの方から『橋下氏ならやりかねない』と思われたのが最大の誤算でした」とコメントしつつ、「今後はもっと現実離れした虚構報道を心がけます。申し訳ありませんでした」と謝罪に至っています。

虚構新聞がこうした記事を掲載に至ったのは、日本ユニセフ協会の大使を務めている歌手のアグネス・チャンさんもブログの中で、『フィリピンで援助活動をしているユニセフの代表からのメールが転送されました。(略)救助は悪条件の中で大変ですが、子供たちを守るために全力頑張っているそうです。(略)なのに日本ユニセフ協会について無責任なネットの書き込みがあるそうです。悲しいですね。。。日本ユニセフ協会はユニセフの為に日本で募金出来る唯一の団体です。デマに惑わされないでくださいね。』とブログに掲載したところ、２ちゃんねるの元現管理人だか現管理人だか分からないひろゆきこと西村博之さんが自身のブログで「アグネス・チャンさんへの公開質問状」を公開しており、その中で『「今一番大事なのは、子供達の為に私たちもできることを考える事です。」と仰られていますが、アグネスさんが募金先にあげている日本ユニセフ協会は、2012年度、募金の81%しか、ユニセフ本部に送っていません。一方、ユニセフ親善大使をされている黒柳徹子さんは、募金の100%をユニセフ本部に送っているそうです。子供のためを思えば、100%をユニセフ本部に送っているユニセフ親善大使の黒柳徹子さんを薦めるべきではないでしょうか？』と質問するなど、世の中で日本ユニセフ協会の寄付金の使い方に疑問を持つ声が出ていたことや、アグネス・チャンさんの発言や行動が度々問題視されてきたことによります。また、「世界トイレの日」昭和記念公園に「見えないトイレ」を設置したことと「透明化」をかけているわけですが、日本ユニセフ協会が集めた寄付金の一部（25%以内）をその活動費当てた後、残額がユニセフに拠出されることが分かりにくいのがそもそも問題であるように思います。

また、虚構新聞は『協会親善大使で健康食品「五色霊芝」の販売でも知られる自称歌手のアグネス・チャンさん』として紹介していますが、これは以前、大槻義彦教授がブログで「アグネスチャンの霊感商法」と批判していましたが、以前はアグネスチャンさんの写真付きで宣伝していた、怪しいパワーストーンや五色霊芝をネット販売していた件のことですね。
ただ、当の五色霊芝をネット販売していた楽天のページは「薬事法などに抵触する可能性のある表示」があったとして削除され、魚拓についてもアグネス・チャンさんの関係者により削除されているためか、ウィキペディアからも２０１０年８月２９日の霊感商法に関する表現が削除されています。どういったものが売られていたかはGoogle画像検索してみるのが分かりやすいようです。

アグネス・チャンさんの行動に問題があるのは今に始まったことではありませんが、寄付金の取り扱いについては真っ先にわかり易いようにした上で、それでも寄付をする人がいるのなら日本ユニセフ協会にすればいいし、１００％UNICEF(ユニセフ本部)に送金される黒柳徹子さんの方が良ければそちらに寄付をすればいいですね。

ちなみに私個人の意見としては、日本赤十字社への寄付をおすすめします。